エントリーシートを作成前の準備編 – 金融業界のこれからはどうなる!?

エントリーシートを作成前の準備編 - 金融業界のこれからはどうなる!?



金融業界の将来性

金融業界といえば、昔から志望者の多い人気の業界です。
特に銀行は人気で、以前は銀行に入ることができれば勝ち組、安定している職業などといわれていました。

その理由として、まず待遇の良さがあります。
銀行、特にメガバンクは年収も高く、30歳になると1,000万円になるともいわれていました。
福利厚生も充実していて、土日もほぼ確実に休むことができます。

産休などの制度も整っていて、普段もあまり残業はなく定時に帰宅できます。
公務員とほぼ同等の、ホワイト企業といわれていたのが銀行です。
メガバンクより年収は劣りますが、地方銀行でもそれに近い待遇を受けることもあります。

銀行以外の金融業も、やはり待遇や評価が高いものです。
証券会社や保険会社、外資系の投資銀行なども、高い人気を誇っています。
特に、外資系投資銀行はかなり高い能力が求められますが、その分年収も高いのが特徴です。

そんな人気のあった金融業界ですが、近年は人気が落ち込みつつあります。
現在は金融業界の先行きは不安視されるようになり、就職しない方がいいといわれる業界となりつつあります。

その不安がよく表れているのが、就職ランキングの変化です。
メガバンクの、2018年と2019年の就職ランキングを見ると、その変化がよくわかります。
どのくらい変化したのか、見てみましょう。

みずほフィナンシャルグループは、2018年の就職ランキングで1位でした。
しかし、2019年にはその順位が17位まで落ち込んでいます。
2018年は2位の三菱UFJ銀行は4位に、2018年に5位の三井住友銀行は14位に、それぞれ落ち込んでいます。

みずほフィナンシャルグループの順位の落ち込みが特に大きいのですが、それ以外の2つも落ち込んでいるのです。
つまり、メガバンクというジャンルそのものの人気が落ちこんだ、といえるでしょう。

なぜ人気が落ちたのか

金融業界の人気が落ちた理由は、いくつか考えられます。
その理由について、具体的に考えてみましょう。
最も大きい理由となるのが、業界全体の売り上げの減少でしょう。

金融業界の取引規模は、2018年から2019年で65兆円以上といわれています。
これは、136ある業界の中で4番目に大きい規模となっていて、前年比では2.6%増となっています。
それだけ聞くと、あまり悪化しているようには思えないでしょう。

しかし、利益率に関しては8.5%増と、前年比を割り込む結果になっているのです。
これには、日銀のマイナス金利などの影響もあるでしょう。
また、人口減のために地方銀行が合併することが増えたのも、これに影響しているとみられます。

証券業界も、減少に転じています。
ネット証券はそれほど減少していないのですが、個人投資家の動きが鈍化したことで収益も減少しています。

また、ネット銀行はかなり増えつつあります。
イオンや楽天など、他業種からネット銀行に参入する例がかなり増えています。
特に、楽天銀行はかなりの勢いで口座数を増やしているのです。

クレジットカード業界の業績は、銀行とは違い過去最高となっています。
その背景には、キャッシュレス決済の増加があります。
また、オンラインショッピングの需要が増えたこともその後押しをしています。

その影響で、銀行員の給与は上がりにくくなりました。
たとえ昇進しても、以前ほど給与が高くなることはないのです。
そのことで、将来性がないと見切る人も増えています。

また、金融業界は離職率が高いことでも知られています。
近年は、その傾向がさらに高くなっているのです。
最近では、30歳までに半数近くが離職するともいわれるほどです。

その理由として、まずノルマがきついというのがあります。
口座の新規開設や貸付など、様々なノルマがありそのハードルが高いことから、耐えきれないという人が多いのです。

また、最近は商品や決済の多様化から、覚えることもかなり増えています。
それが多すぎて、覚えきれないという人も多いのです。
覚えても、すぐに変更されることもあるため、その繰り返しに耐えられないこともあるでしょう。

また、フィンテックの影響もあります。
フィンテックとは、金融と技術を合わせたものであり、金融サービスとITなどの技術を合わせたものですが、これによって銀行は衰退してきたのです。

キャッシュレス決済もその一つですが、それ以外にも仮想通貨が増えたことで現金の流通が減ったということもあります。
また、資産運用にビッグデータやAIが活用されるようになったことで、アドバイザーの必要性が低くなってしまったのです。

銀行の窓口業務も、AIに任せられることが増えています。
このままだと、10年以内にほとんどの銀行が消滅するという意見もあります。
金融業界を志望するなら、今後この業界がどうなっていくのか、そしてその中でどう活躍していきたいのかをしっかりとイメージすることが大切です。

最後に

以前より人気が落ちたとはいえ、それでもなお人気が高いのが金融業界です。
今後、金融業界で働くことを考えている場合は、人気が残っていることにばかり目を向けるのではなく、人気が落ちた原因についても把握しておきましょう。
そして、どうすれば金融業界が盛り返すか、という点も考えておくべきでしょう。

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