様々な企業でテレワークの導入が進んできました。しかし、ただ導入すればいいという訳ではありません。テレワークには、向き不向きがあるのです。
それは職種によっても分かれ、テレワークで働く方によっても異なります。
テレワークに向いている方の特徴とは、何でしょうか?
また、多くの企業でテレワークを導入していますが、その企業で働く人すべてがテレワークを歓迎しているわけではありません。中には、テレワークに向いていない方もいるでしょう。
どのような方が向いていないのか、その特徴を解説します。
テレワークに向いている人の特徴
1.自発的に行動する
テレワークは、基本的に一人で作業を行うことになります。
そのため、自発的に行動できる人でなければ、すぐに作業が滞りがちになってしまうのです。
社内で仕事をしていると、通常は常に誰かが近くにいます。
そのため、仕事の手を止めるとすぐに分かり、先輩や上司から声をかけられる事もあるでしょう。
また、分からないことがあれば聞くことができる相手もいます。
しかし、テレワークでは周囲に人がいないので、困ったことがあって手が止まっても、声をかけてくれる人は誰もいません。
自分から積極的に誰かと連絡を取って、質問しなければいけないのです。
また、周囲がどのようなペースで仕事をしているのかを確認しながら作業し、積極的に仕事を引き受ける方や、きちんと仕事に優先順位を決められる方が向いています。
そのためには、コミュニケーション能力にも秀でていることも条件となるでしょう。
2.仕事環境を確保できる
テレワークの導入に際して、仕事をするための環境づくりに困る人も多いでしょう。
自宅で全く仕事をしないという人は、一から環境づくりをしなくてはいけないこともあります。
特に、パソコンやインターネット環境がないという人にとっては、大掛かりな準備となるでしょう。
その点、すでにパソコンやインターネット環境、周辺機器などを持っている人であれば、すぐにでも仕事を始められます。
オンラインでのWeb会議なども行う予定がある場合は、カメラやマイクもあればなお便利でしょう。
また、環境の問題もあります。
例えば、常に小さい子どもが家にいるような環境であれば、にぎやかな中にいて仕事もあまり進まなくなるでしょう。
オンライン会議でも、相手の声が聞こえやすく自分の周囲に雑音がない環境が大切です。
作業スペースも、パソコンだけではなく書類が広げられるスペースを確保できた方が、スムーズに作業ができます。
普段とは違って、仕事をするための環境にすぐ変えられるという方は、テレワークに向いています。
3.自己管理できる
自宅にいて一人で作業をしていると、普段とは違って甘えが出ることもあります。
例えば、仕事中でも少し休憩するつもりで布団に寝転がったら、そのまま寝てしまうということもあり得ます。
そうではなくても、ついついスマホなどに手が伸びてしまうこともあり得るでしょう。
テレワークでは、たとえさぼっていても誰も文句を言いません。
だからこそ、自分で自分を律する必要があるのです。
誰の目がなくても、さぼることがないという方なら、テレワークが向いています。
テレワークでも会社と同じタイムスケジュールで行動するのが、自己管理の第一歩です。
始業時間と休憩時間、終業時間は、会社と同じようにしっかりと守りましょう。
慣れない場合は、アラームなどを使いましょう。
意志を強く持って、自己管理できるという人が向いているのです。
4.計画性がある
テレワークでは、ついついサボってしまったり、気が付いたら時間が過ぎてしまったりすることもあり得ます。
気が付いたら、その日のノルマ分が終わらないまま終業時間となり、後々大変になっていくのです。
計画性がある人なら、1日、1週間、1月と区切りをつけてそれぞれの目標を定め、仕事を進めていけます。
自己管理と共通しているところもありますが、自分でしっかりと管理する必要があるのです。
だらだらと仕事をするのを避けて、計画と現在の進捗のズレをしっかりと認識できる人なら、テレワークに向いています。
5.孤独でも平気
テレワークになって出てくる感想で、意外と多いのが「孤独なのが辛い」ということです。
普段から多くの人とコミュニケーションを取りながら仕事をしている人ほど、一人での作業は耐え難いものがあるのです。
しかし、一人での作業を寂しいのではなく、作業に集中できると捉えられれば、テレワークでも苦になることはありません。
なるべく静かな環境で仕事をしたいという人には、孤独な方が向いているでしょう。
どうしても孤独に耐えられないという場合は、オンラインサロンやランチでの外出など、工夫をしながら作業を進めましょう。
同じような気持ちを抱く方と、作業の妨げにならない程度に電話やチャットなどでコミュニケーションを取りながら仕事をするのもおすすめです。
テレワークに向いていない人の特徴
1.文章によるコミュニケーションが苦手
テレワークでは、顔を合わせてコミュニケーションをとる機会が減ってしまいます。
その代わりに増えるのが、文章でのコミュニケーションです。
チャットやLINE、メールなどを使用することが多いでしょう。
しかし、対面でのコミュニケーションには問題ないのに、文章ではコミュニケーション下手という方もいます。
そういう方には、テレワークがあまり向いていないかもしれません。
文章の場合、直接話すのとは違って細かいニュアンスを伝えるのが難しくなります。
普段、文章を使うことが滅多にないという方であれば、なおさらです。
まずは、文章に慣れることから始める必要があるでしょう。
2.指示待ち人間
テレワークでは、周囲に人の目がない状態で仕事をします。
そのせいで、仕事でわからないことがあった時も普段とは対処方法が異なります。
普段なら周囲に聞けばいいのですが、テレワークの場合は自分から連絡などをして聞かなければいけないのです。
これができないのが、指示待ち人間といわれるタイプです。
指示されたことには全力で取り組みますが、自発的に何かをしようとは思わないのです。
そのせいで、直接顔を合わせる相手がいないとコミュニケーション不足になりがちです。
テレワークでは、仕事でわからないことがあってもわざわざ連絡を取るのは嫌がり、自分で解決しようとします。
その結果、後ほど修正する必要が生じてしまい、二度手間になって生産性が低下してしまうのです。
普通にオフィスで仕事をしていれば、途中で間違いに気づかれて注意され、すぐに修正できるでしょう。
しかし、テレワークの場合はまず自分で完成と思われるところまで仕上げてから提出し、そこで初めて間違いに気づかれるのです。
つまり、修正にも時間がかかります。
指示待ち人間は、あまりテレワークに向いていないといえるでしょう。
それよりも、自主的に行動し、必要があればすぐに連絡するなどのコミュニケーションをとれる方の方が向いているのです。
3.仕事ができる環境ではない
普段はオフィスで仕事をしていても、テレワークになると自宅などでの仕事になります。
その場合、仕事をする環境は自分で整えなくてはいけません。
そして、誰もがそれをできるとは限らないのです。
サテライトオフィスを会社で用意して、パソコンをはじめとした周辺機器やインターネット環境も会社が用意するのなら、何の問題もありません。
これも、立派なテレワークの1形態です。
しかし、ほとんどの場合はテレワークとなると自宅で行うことになるでしょう。
また、パソコンも自分のものを使用するケースが多いのですが、誰もがパソコンを持っていて、インターネットを契約しているとは限りません。
中には、スマホだけで十分とパソコンやインターネットがないという方もいます。
その場合、パソコンを購入してインターネットの契約をしてと、一から環境を整えることになるでしょう。
また、家族がいる場合は作業をするための場所もあるとは限りません。
夫婦と子どもで暮らしていて、ワンルームということもあり得るのです。
仕事をするにも、家族がいて落ち着かないというケースもあり得ます。
テレワークを自宅で行うには、家族がそれを理解してくれて協力してくれる状態でなければいけません。
家にいるんだから、家のことを手伝えといわれることも少なくないので、そのような方はテレワークに向いていないといえます。
4.チャットなどの返信が苦手
テレワークでは、Web会議やメール、チャットなどで他の人とやり取りをすることになります。
しかし、すぐに返信できる方ならいいのですが、中には返信が遅い方もいるでしょう。
特に、チャットはどんどんと話が流れていきます。
どう返信しようかと悩んでいると、気が付いたら次の話題になっているということもあり得ます。
メールの場合は、もっと深刻です。
すぐに返信が欲しいのに、メールを送ってから何時間もたってようやく返信が来るようだと、そのやり取りだけで1日がつぶれかねません。
そのせいで、全体の業務が滞ってしまうこともあり得るのです。
チャットやメール、Web会議では、とにかくレスポンスが早くなければいけません。
少なくとも、内容を理解したらすぐにその旨を伝えて、わからないことは即座に確認しましょう。
それができなければ、テレワークには向いていません。
最後に
テレワークというのは、単に仕事を自宅などで行うというだけではありません。
普段とは違う形で仕事をするため、また違ったやり方を求められるのです。
そのため、普段の仕事では問題なくても、テレワークには向いていないという人もいるのです。
その人の事情などを考えたうえで、テレワークを推進していくべきでしょう。
テレワークは、通常とは違う環境で仕事を進めていくため、向いている人と向いていない人がいます。
向いている人なら、仕事の効率が落ちることはあまりありません。
しかし向いていないと、仕事にかなりの遅れが生じることもあるので、向き不向きをきちんと把握しておきましょう。