労働基準監督署または労働局にある総合労働相談コーナーは、退職の相談で活用できる⁉

退職関連のトラブルといえば、労働基準監督署を連想する人が多いかと思います。
しかし実は、同じ敷地内にもっと相談しやすい機関が設置されているのです。
それが「総合労働相談コーナー」です。
一体、どのようなことに対応してくれる機関なのでしょうか?
最適な相談場所を知っておくためにも、総合労働相談コーナーについて解説しましょう。



総合労働相談コーナーはどのような場所なのか?

ここは、全国の労働基準監督署または労働局に設定されている機関になります。
そのため、労働関係の相談で労働基準監督署へ行った場合に、そのままそこで相談をすることができるのです。
ですが、対応している相談内容が労働基準監督署と違っていることを勘違いしてはいけません。

この項目では、相談内容を含めた総合労働相談コーナーの特徴についてご説明します。

  • 対応可能な範囲と相談内容
  • 類似組織?~労働相談情報センターとの違いは?~
  • 法令違反の疑いがある場合は労働基準監督署と連携して対応する

アドバイスを聞くにしても、どの相談内容に対応している機関なのかによって内容が変わります。
早速見てみましょう。

対応可能な範囲と相談内容

ここで対応している相談内容は、「個別労働関係紛争」に関することになります。
その一例として、以下の内容が挙げられます。

  1. 配置転換
  2. 雇い止め
  3. 賃金の引き下げ
  4. いじめ・パワハラ

このような内容は、退職を決意する理由にもなってきます。
雇用関係における多様なトラブルの相談に対応していると考えて良いでしょう。

また、相談窓口だけでは解決やアドバイスが難しいこともあります。
そのような時は、都道府県労働局に問題解決を依頼することになりますので、その場限りの対応になりません。
しかるべき場所へ連絡して対応してもらえることで、公的機関を味方につけることができるのです。

さらに、問題が深刻だと判断された場合には、労働局長や紛争調整委員会が介入することがあります。
公的な力が入ると、会社側も問題解決に動くしかありません。
そうなると、労働者側の悩みも解消されやすくなるでしょう。

類似組織?~労働相談情報センターとの違いは?~

ところで、似たような機関として東京都には「労働相談情報センター」があります。
今回ご説明している機関とは、管轄している組織が違っています。

総合労働相談コーナーの管轄は労働局になり、「国」が管理しているのです。
反対に、労働相談情報センターは、「東京都」で管理・運営がされていますので、自治体の組織と考えて構いません。
一番分かりやすい言い方をすると、全国に必ずある機関と考えると良いでしょう。

どちらも同じような相談内容に対応してますが、国の管轄下に置かれていることで可能なことが違ってきます。
従って、どのような対応をして欲しいのか、そのことを視野に入れて相談すると、問題の解決がしやすくなります。

次の項目でもご説明しますが、相談内容によっては総合労働相談センターの方が都合の良いこともありますので、相談先を選ぶポイントにして下さい。
どこも同じだと考えると、窓口対応すらたどり着けません。

法令違反の疑いがある場合は労働基準監督署と連携して対応する

ここで相談する特徴の一つに、労働基準監督署との連携があることが挙げられます。
相談内容によっては、会社内のトラブルに留まらず、法令違反が疑われる場合もあります。
例えば、賃金未払いの相談をしていた際に、会社側が労働基準法に違反していたというケースが挙げられるでしょう。

労働基準法に違反していた場合、総合労働相談コーナー内ではその対応ができません。
労働法関連のトラブルに関しては、労働基準監督署の管轄になるのです。
しかし、ここで相談場所の特徴を思い出してみて下さい。

ほとんどの場合、相談場所は労働基準監督署内にありますから、すぐに情報共有することができるのです。
つまり、迅速な対応が取れますから、次の対応への案内をすぐにしてくれるのです。
例えば、専用の窓口へと案内をしたり、申告方法について教えてくれたりしますから、そのまま放置は絶対にしません。

他の関連組織と連携できるのは、大きな強みになります。

総合労働相談コーナーに行くべき?~メリット・デメリットから考える~

ここまでで総合労働相談コーナーの特徴をご説明しました。
それらを知った上で、困った時には相談に行くべきなのでしょうか?
実際に相談してみた時のメリット、デメリットから考えてみましょう。

・無料で様々なサービスや手続きが利用できる
・基本的には「社内解決」を促すための対応
・法的拘束力がなく、問題解決にならないことも

普段利用しない場だからこそ、実態について詳しく知っておかなければなりません。
実際のところは、どうなのでしょうか?

無料で様々なサービスや手続きが利用できる

まず、メリットをご説明しましょう。
最大のメリットは、問題解決のためのサービスや必要な手続きが無料で受けられることです。
他の機関の場合、利用が無料であっても、事前予約が必要だったり、別途料金が発生したりすることがあります。

しかし、国が管理している相談機関ですから、無料・事前予約不要で対応してもらえるのです。
急に相談したいと思った場合でも、ご安心下さい。

また、助言や指導、あっせん制度といった対応に対しても無料で行ってくれることは大きいでしょう。
昔の場合だと、会社側とのトラブルの解決には、裁判所で民事手続きを行うしかありませんでした。

裁判所で手続きをするとなると、労働者一人では対応できません。
かかる時間や専門家に依頼する費用を考えると、負担が大きいことが予想できるでしょう。
しかし、今は違います。
基本的に無料で対応してもらえますから、相談した側がお金の心配をする必要はありません。

過去の歴史から苦しい思いをしていた人をサポートしたい、という思いから登場したのが「総合労働相談センター」です。
このメリットの大きさは、みなさんも理解できるはずです。

基本的には「社内解決」を促すための対応

ここからは、デメリットになります。
1つ目のデメリットは、基本的な方針が社内解決を目指していることです。
先程のメリットで取り上げた対応がされるのは、相談者のほんの一握りです。

そうなると、大多数の相談者はどのような対応をされているのかというと、アドバイスを受けて社内で対応するように求められるのです。
もちろん、社内解決を実現するために、必要な情報や行動をレクチャーすることに間違いはありません。
ですが、相談してそこで何か解決するとは言えません。

従って、相談内容の程度によっては、「まず会社に相談してから」と勧められることもあるでしょう。
これは、相談者を放置しているのでなく、対応方針が基で起こることなのです。

経験者の中には、この影響で他の機関とのたらい回しに遭ってしまった人も少なくありません。
あくまでも、社内解決のためのアドバイスや他の機関や方法への案内に留まる場だと認識して下さい。

法的拘束力がなく、問題解決にならないことも

また、助言や指導、あっせんを行った場合でも、実はそれに大きな影響力である「法的拘束力」がありません。
そのため、労働者を完全に守ってくれる対応がされるとも言い難いことがあるのです。
このことは、2つ目のデメリットとして数えられるでしょう。

特に、退職を強く望んでいるにも関わらず、強制力を持って対応できない場合は長引いて辛い思いをするだけです。
しかし、退職コンシェルジュでは、退職代行や法律の知識を持ったプロが対応しますから、「退職できない」ことはありません。
「強制的に行動」することができますから、障害があって退職手続きがストップすることはありません。

さらに、会社との手続きは全てお任せできるので、「社内解決」ができるとも言えるのです。
これは、総合労働相談サービスだと実現が難しくなります。
依頼された第三者の介入によって、「社内解決」ができるならば助かりますし、何より高額な費用がかかりません。
社内解決して退職する方法は、アドバイスから得られるものだけではないということを、覚えておきましょう!

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