【障害福祉サービス】就労移行支援と就労継続支援の違いについて

就労支援には、就労移行支援と就労継続支援の2種類あります。
これらは働き方や工賃等に違いがあるのですが、その他にも複数の違いがあります。
一体、どのような違いがあるのでしょうか?
本記事では、2つの特徴を明らかにしたいと思います。
どちらを選択すべきか迷っている人は、是非ご覧下さい。



就労移行支援と就労継続支援の違い~支援の特徴から違いを学ぼう~

名称を見ただけでは同じような支援に見えますが、利用目的が両者で大きく違います。
ここでは、利用時の理念や特徴の違いについてそれぞれご説明します。

  • サービスの根底に違いがある
  • 3事業の内容の違いとは?

上記2つの視点から違いを知ると、自分がどちらを選択すべきか見えてくるはずです。

サービスの根底に違いがある

そもそも就労支援を考える上で大切なのは、どのような働き方を目指すのかにあります。
今回のテーマとなる2つの支援も、根底が大きく違っているのです。

  • 就労移行支援…就職のために必要なスキルを身につける場
  • 就労継続支援…働く場所を提供する

この違いを見るだけでも、何のための支援であるかが一目瞭然です。
そのため、就労支援を利用する場合には、自分がどのような働き方を求めているのかを明確にさせるべきです。
これが、今回のテーマとなる就労移行支援と就労継続支援の大きな違いになりますので、頭に入れておきましょう。

3事業の内容の違いとは?

ここからは、就労支援で利用できるサービスの具体的な違いを一つ一つ見ていきましょう。
就労継続支援にはA型とB型の2種類ありますので、分類した形でご説明します。

①就労移行支援
これは先程も少しご説明した通り、一般就労を目標としている人向けのサービスになります。
そのため、事業所の中で仕事をするよりは、そこで就労に向けたトレーニングを行いますので、就職への準備を進めていくと言っても過言ではありません。
対象年齢は65歳未満になり、利用できる期間は原則2年と決まっています。

就労に向けたトレーニングには、一例として以下の内容が挙げられます。

  • ストレスコントロール
  • ビジネスマナー講習
  • パソコン講座
  • 対人技能トレーニング

これらの内容は、就労継続支援では設けられていません。
そこではあくまで福祉的な就労を実施していますから、まず働くことが重視されるのです。
しかし、就労移行支援では一般就労を前提としていますので、実際に働いた時のことを想定して問題の自己解決ができなければなりません。

そのために、上記のようなトレーニングが設けられているのです。
また、体調管理を含めた健康管理も徹底して行われますから、生活リズムは訓練を通して形成できます。
体調面の不安の解消にもスタッフが対応しますので、仕事への取り組み方を一から学べると言えるでしょう。

定められた期間内でのトレーニングになりますので、より具体的に社会と関わるようになってきます。
しかしながら、基本的にはスキルを身につける場ですから、雇用契約を結ばないため給料が発生しません。
また、例え短期間であっても支援を受けている間はアルバイトができませんので、支援に集中してもらう形になります。

あくまでもトレーニングを通して自立できることを目指す場だと考えましょう。

②就労継続支援A型
これは65歳未満を対象とした、一般企業への就職が不安だったり、困難な障害を抱えていたりする人向けのサービスになります。
利用期間の定めはありませんが、事業所と雇用契約を結んで働くことができますので、それに基づいた給料・工賃が発生します。
どのような人にお勧めなのかと言うと、一般就労すべきか迷っている人が挙げられます。

障害の程度や過去の経験から、一般就労が難しいと感じている人も少なくありません。
その結果、どちらで働いた方が自分に合っているのか、分からなくなってしまう人もいるのです。
一般就労と似たような環境でありつつ、比較的緩い条件で働けますから、自分の働き方を見直せる機会になります。

③就労継続支援B型
次にB型の場合は、主にA型の対象外になった人が利用するため、年齢制限は設けられていません。
またA型と違い、事業所と雇用関係を結びませんので給料が発生することはありません。
しかし、自分が作業した分だけ工賃を受け取ることができます。

基本的には軽作業が中心になりますので、体やメンタル面に負担がかからないことが支援の特徴になります。
近年では、軽作業の仕事のバリエーションが増えており、働ける職場探しがしやすくなっています。
例えば、工業の作業だけでなく、クリーニング作業やレストランのキッチン業務が挙げられます。

本支援は、就労の意思があっても、障害の関係で雇用契約を結ぶことができない人が多く利用しています。
自分の体調に合わせて無理なく作業ができますので、自分のペースを優先しながら職業訓練を行うことができるのです。
まず、働くこと自体に慣れたい、リハビリしたいと考えている人向けのサービスだと言えるでしょう。

それぞれのメリットから見る違い

最後に、2つの支援内容の違いを利用時のメリットから比べてみましょう。

  • 一般就労が実現しやすいのは?
  • 福祉経験の長いスタッフが在籍しているのは?

ここからは、支援内容だけでなく、普段のやり取り面も含めた特徴をご紹介します。

一般就労が実現しやすいのは?

最終的な就労が実現しやすいのは、就労移行支援になります。
就労移行支援自体が一般就労を目的としている支援であるため、最終的な就職に結びつきやすいのです。
実際に支援を利用した人の多くが一般就労を実現できていますので、努力の結果、目標を達成しやすいメリットがあります。

他方で、就労継続支援の場合は、福祉的な就労を優先したい人や、重度の障害を抱えている人の利用が多いです。
就労継続支援を利用して一般就労を目指すこともできますが、中々スキルアップが果たせない人も少なくありません。
しかしながら、自分の能力に合った仕事をすることができますので、無理のない働き方が実現できます。

福祉経験の長いスタッフが在籍しているのは?

また、就労支援を行っている事業所では、必ず福祉経験のあるスタッフが在籍しています。
中でも経験の長いスタッフが在籍している傾向があるのは、就労継続支援になります。
特にB型の事業所の場合は、重度の障害者を受け入れていますから、専門知識や長年の経験が欠かせません。

ですが、その他の支援でも頼りになるスタッフが多く在籍していますので、対応に変わりありません。

以上のように細かい部分ではありますが、実際に利用する際にも違いがあります。
ところで、このような就労支援のサポートは、事業所でしかできないと思っていませんか?
実は、転職サイトでも利用できるのです。

障害者向けの転職サイトでは、求人情報の公開をしているだけではありません。
中には、就労支援も並行して行っていることがあるのです。
そのため、転職サイト経由で就労支援を行えると、その後の求人探しがしやすいのです。

先程、就労移行支援では一般就労が実現しやすいことをお話ししましたが、事業所で直接求人を紹介してくれるのではありません。
必要な時は、自分でハローワークを利用しなければならないのです。
支援と求人探しは別扱いになりますから、ハローワークの担当者と一から関係性を築く必要があります。

その結果、自分の特性を理解してもらうのに時間がかかることも少なくありません。
特性を理解しているスタッフが多くの場面でサポートしてくれるのは、転職サイトの強みになります。
人間関係の形成に時間がかかると思っている人ほど、まず登録すべきサービスだと言えます。

タイトルとURLをコピーしました