働き方改革として、様々な企業でテレワークの導入が進んでいます。
しかし実は、職種によって、テレワークを導入し難い職種もあるのです。
どのような職種が、テレワークを導入し難いのでしょうか?
その理由と併せて、解説します。
テレワークを導入し難い職種とは?
政府が打ち出した働き方改革、そして新型コロナウイルスの流行などを背景に、多くの企業でテレワークが導入されました。
しかし、テレワークはただ導入すればいいというわけではありません。
職種によっては、テレワークを導入することで仕事に支障が出ることもあります。
そのため、職種によってはテレワークを導入し難いものもあるのです。
具体的に、導入し難い職種を解説します。
導入しがたい職種①医療・介護職
まず導入し難いのが、医療や介護に従事する職種です。
医療に従事する職種といえば、医師をはじめ看護師、それぞれの技師、医療事務など様々なものがあります。
そのすべてが、テレワークを導入し難いのです。
まず、医師がテレワークに出来ないのは当然です。
患者の状態を見極め、適切な処置をしなくてはいけないので、直接確認しなくてはいけないため、テレワークにはできないのです。
手術の問題もあります。
最近では、ロボットアームを使った手術も増えていますが、まだできる手術の種類は少なく、数も少ないため、遠隔での操作で手術を終わらせるということはできません。
看護師は患者の面倒を見なくてはいけないので、テレワークでできるわけがありません。
清拭や食事介護、投薬などを行うには、患者のそばに寄り添わなければいけないのです。
そのため、テレワークはまず無理でしょう。
各種技師も、機械の操作や患者の介助などがあるのでテレワークはできません。
医療事務ならできるかというと、やはり窓口で様々な作業があるので、無理なのです。
介護職も、看護師と同様の理由でテレワークはできません。
導入し難い職種②製造業
工場などで様々なものを製造する製造業も、テレワークには向いていません。
機械を使って部品を製造したり、あるいは食品などを扱ったりするので、自宅での作業はできないのです。
例えば、部品を人力で加工する場合は、自宅でもできるかもしれません。
しかし、もしもそれでライバル社にその技術や情報が流出してしまうと、会社は大きなダメージを負います。
それを避けるためにも、テレワークは難しいでしょう。
導入し難い職種③公務員
公務員には、テレワーク化の動きも一部では見られます。
しかし、あまり大きな範囲には広がっていません。
それは、制度やインフラが整っていないからです。
公務員は、制度が整っていなければ動くことはできません。
そして、変更点の了承を得るには、民間の会社と比較してかなりの時間がかかります。
そのため、テレワークを導入しようにもなかなか進まないのです。
また、導入できるところも限られています。
役所は来庁者の対応が必要ですし、消防士や警察も有事の際は出動していくため、自宅での待機は難しいでしょう。
セキュリティ面の問題もあります。
公務員が扱う情報は、個人情報が含まれていたり機密性が高かったりする情報ばかりです。
その情報を扱ううえでテレワークを導入すると、万が一のときに大きな問題となってしまうので、導入は進まないでしょう。
導入し難い職種④接客業
宿泊業やアパレル業、飲食業などの接客業も、導入し難い職種です。
お客様と直接対面して対応する仕事なので、テレワークではなかなか難しいものがあります。
とはいえ、AIを活用することで一部ではリモート化がすすめられているところもあります。
例えば、ホテルのフロント業務のうち、チェックインに限ってAIロボットが担当しているところがあります。
飲食店のオーダーも、タブレットなどを使って注文するところが増えています。
中には、席までロボットが運んでいくお店もあるのです。
アパレルは、通販がテレワークの代わりといえるでしょう。
しかし、そこには店舗スタッフの出番があまりありません。
服へのアドバイスや新作のおすすめなどが、できないのです。
そのため、接客業ではテレワークの導入はし難いのです。
AIでは、柔軟な対応が難しいので、やはり対応は人の方がいい、という人も多いでしょう。
ロボットやAIは、まだ補助としてしか使えないのです。
無理にテレワーク化する必要はない
テレワークが増えたことで、自分のところもテレワークを導入するべきかと悩む企業も多いのですが、無理やりテレワークを導入する必要はありません。
テレワークが正しいというわけではないのです。
無理にテレワークを導入しても、活用できなければ意味はありません。
その結果、仕事が進まなくなるということはあってはいけないのです。
導入を検討する場合は、導入する意味と導入後の予測について、しっかりと検討しましょう。
まとめ
テレワークの導入前には、導入していい職種かどうかをしっかりと確認しなくてはいけません。
導入してから、やっぱり駄目だったとならないようにしましょう。
向いていない職種には、無理に導入する必要がないのです。
導入する企業が増えているからといって、あわてて追随しないように気を付けましょう。